黄金の壺
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むがしあったずもな
小友村のある所に一人の爺様があったずもな。横田の町さ出て来る度に、かけた摺鉢を買って、頭さかぶって帰るのがいっつものことだったど。
爺様に『なすたどごだ?』と聞くと『ああ、これでがんすか、これは湯殿の屋根を葺くべど思って』といったど。
こうした爺様はある夜、天から雨のように黄金が降ってくる夢見たんだど。その次の朝、爺様庭に木を植えるべど庭掘ったんだど、そすたらみだごどね壺がではったんだど。なんだべと蓋あげでみだら大判小判がワッサリへってらったど。爺様、「わ、みだ夢は空がら降ってきたのだがら、これは わのもんでね」ってまた埋めてしまったんたど。
これを見ていた隣の爺様『あの爺さまなに掘ってら』と爺様がいなぐなってそ〜っと垣根をくぐって新しく土を返したところを掘ってみると、さっきの壺を発見した。
隣の爺様は開けてみると、ヘビがウニョウニョといっぺいだど、あの爺様やりあがったな、あだまさきたと言って爺様の屋根に上がって穴付けて爺様の頭の上さ壺の蛇をウニョウニョとなげだど。
丁度爺様晩飯時だったづもな、爺様の頭さ大判小判がピカピカひかりながらシャランシャランと降ってきたど。爺様『これだ夢で見た通りだ。わが授かったものだ』と言って喜んだど。
どんどはれ

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